法務あれこれ/スタッフブログ

錯誤(さくご)による取り消しって?

法律用語に「錯誤(さくご)」という言葉があります。

錯誤というのは、思い違いや勘違いで相手に自分の意思を表示してしまう事です。

身近なところでは、友人に10,000円で売ろうと思っていた品物をメールに間違えて1,000円と記載した。

友人は、そんなにお買い得なら欲しいと、すぐに「買う!」と返事が来て、取引成立!と思ったけれど、よくよく見返すと「1,000円」って書いている・・

しまった、「取り消したい」となりますよね。

このやり取りは、『表示の錯誤』と呼ばれ、自分の意思(10,000円で売りたい)ではない金額で意思表示してしまったという分かりやすい例となります。

ちなみに、『取り消す』とは、一応有効であったものを無かったものにすることです。

少し前に民法(みんぽう)が改正され、『動機の錯誤』についても記されるようになりました。

 

『動機の錯誤』とは・・?

 

例えば、Aさんが「あの土地に新幹線が開通するらしいよ」という噂を聞いた。

Aさんは、(え!そうなんだ!絶対に土地の値段が上がる!その土地を購入したい!)と、早々に不動産屋Bに出向き、その土地を買った。

しかし、残念ながらその噂がデマだと後々気づきました。

新幹線を購入したいと思うに至る”動機”が真実とは異なっていたということです。

この場合、『動機の錯誤』として、Aさんは、取引を取り消すことができるでしょうか?

民法第95条に、『動機の錯誤』の取り消しについて、記されています。

 

私流に要約させていただくと・・

①動機として、Aさんは「新幹線が開通する」と聞いて、その土地を購入しようと決意した。

②しかし、「新幹線が開通する」という話は真実ではなかった(錯誤)。

上記①②から『動機の錯誤』として認められる。

 

が、しかし、ここから『取り消し』として認められるには、いくつかのハードルがあります

①Aさんは、その動機を不動産屋Bに意思表示したかどうか

 ⇒動機を相手に表示していないと取り消せません。

②Aさんが噂で聞いた話の信ぴょう性を疑ってみたか

 ⇒「それは、信じてしまうよな・・」というような要素があることや、もしくは、インターネットでもデマが拡散されており、調べてみても真実と思うような状況であったかなど。

①②が揃っていれば、Aさんは、契約を取り消すことができるようです。

 

しかしながら、Aさんに「重大な過失があったとき」は自ら取り消せなくなります

どういうことが「重大な過失」に当たるのかは、私には、はかり知れないのですが・・

もしかしたら、噂を聞いて、何も調べずに購入に至ったのなら、重大な過失とされるのかもしれません。。

 

ただし、以下③④の場合は、重大な過失があるとされたAさんでも取り消しが可能となります。

③不動産屋Bが悪意(嘘の噂を信じていると知っていた)、または、過失があるとき

④不動産屋Bも同じように噂を信じていた

私流の解説になってしまい、恐縮です。

おそらく、ケースバイケースで判決は下るんだろうと思いますが、やはり、高額な買い物をするときは、慎重に・・。そんなことを感じました。

 

2020.9.25
梅谷事務所/高橋

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