SNSが社会にすっかり浸透し、今やお年寄りでも使いこなされる昨今、”既読スルー”を経験したことが無い人は少ないんじゃないでしょうか。
その名の通り、メッセージを送った相手は、そのメッセージを読んでいるが、返事はない。という状態を”既読スルー”と呼びます。
「どうしてスルーされたのか?」と考えてしまうのが、人間の性ではないでしょうか。
”既読スルー”も慣れてくると、(忙しいんだろう・・)(興味がなかったのかも・・)(返事が必要な感じに思わなかったのかな?)などなど・・
ある日の『天声人語』に、
せっかくメッセージを送ったのに、読むだけ読んで相手が返信をくれない「既読スルー」。そのたび返事が来るか来ないか気になって、何度もスマホの画面を・・・
と始まる文面を見つけました。
最近の研究で、シロイルカにも、仲間と鳴き交わす際、スルーされると黙っておらず、返事を催促していることがわかったそうです。
「ギー」と声をかけ、1秒ほど待っても返事がないと、再び「ギー」と畳みかける行動が高い確率で観測されたらしい。
イルカやサル、クジラなど社会性を持ち、音声を多用する動物は鳴き交わしが成立しないと安心感を失うそうである。
そして話は、英国の進化人類学者ロビン・ダンバーの説にまで及ぶ。
”人と人との会話は、サル同士の毛づくろいに近い機能を持つ。あなたに関心がある、良好な関係を持ちたいと伝える、いわば遠隔の毛づくろい。会話の中身はともかく、言葉を交わすのが大切なのだ”
私は、来世はサルに生まれたいなと思うことがあります。
それって、このサル同士の“毛づくろい”が何ともいいなぁ~と思っていたから。
相方と毛づくろいし合いながら、時々、木の実など食べて、冬は温泉に浸かって・・やっぱりニホンザルがいいよね・・なんて、話していました。(ちなみに、相方は、来世も“人間”希望だそうです)
やっぱり、生きていくうえで安心感って、とても大切。
既読スルーが、世の中から少しでも減りますように(アーメン)
2021.7.1
梅谷事務所/高橋