信託が終了するにはいくつか条件があります。
信託の目的を達成したときや、予め定めておいた特定条件を満たしたとき、委託者受益者双方が合意したとき…などはもちろんのこと、
「受託者がいない状態が一年続いたとき」などにも終了してしまいますので、予期せぬタイミングになってしまうこともあります。
ともあれ、信託が終了すると、「清算」を行う必要があります。
清算の流れは以下のとおりです。
・信託終了に伴い関係各所との契約を解除
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・債権の回収や借金返済などを行って、受益者に渡していないものがあればそれを引き渡す
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・それでも残った財産をあらかじめ定めた人「帰属権利者」に渡す
この作業を行うのは受託者です。受託者は信託終了に伴い、「清算受託者」という役割に代わります。
そして財産を受け取った帰属権利者が、自分に所有権が移ったという登記と、信託が終わった届けの2つを法務局に出せば、手続きは終了となります。
※帰属権利者(きぞくけんりしゃ)について詳しくはこちら
1978年兵庫県高砂市生まれ、岡山大学法学部卒業。「法務・会計 梅谷事務所」「はりま家族信託相談室」代表司法書士および家族信託専門士。2016年より福祉・医療関係者向けに「成年後見人制度」や法律に関する実務について研修を行う「梅塾 care&law~」を定期的に自主開催するなど、数多くのセミナー講師を務める。明治42年創業以来受け継いできた「地元での信用・信頼、誠実な仕事」をモットーに、日々、法務の現場で活躍する。