信託契約を結んだ後、生活環境や財産状況に変化があって、財産の管理方法など、信託の契約内容を現状に合わせたものに変更したいという場合があります。この場合、どのような手続きをとるべきでしょうか。
まず、基本的には委託者・受託者・受益者の3者の合意があれば契約内容の変更が可能です。
例外的に、3者の合意を必要としない場合もあります。
例えば、「変更内容が信託の目的に反しないことが明らか、かつ変更が受益者の利益になる場合」、受託者の書面等による意思表示のみで変更を進めることができます。
上記の例で変更が受益者の利益になるといえない場合でも、受託者・受益者の2者のみで合意すればけ変更が可能です。
3者の合意を基本条件としているのは、信託にかかわる3者それぞれの利益を守るためですから、他の者の利益を害さないことが明らかな場面のみ、条件が少し緩和されるという考え方です。
1978年兵庫県高砂市生まれ、岡山大学法学部卒業。「法務・会計 梅谷事務所」「はりま家族信託相談室」代表司法書士および家族信託専門士。2016年より福祉・医療関係者向けに「成年後見人制度」や法律に関する実務について研修を行う「梅塾 care&law~」を定期的に自主開催するなど、数多くのセミナー講師を務める。明治42年創業以来受け継いできた「地元での信用・信頼、誠実な仕事」をモットーに、日々、法務の現場で活躍する。