まずは一度専門家に相談されることをお勧めします。
家族信託はまだまだ発展途上の制度です。
そのため、ご自身で制度設計から取り組むのは非常に困難だと思います。
では、専門家に相談する場合にどんな準備が必要でしょうか?
まずは以下の事柄を決めたのち、詳しいことは相談しながら決めていけば良いでしょう。
信託の契約では、皆様がご自身の財産をどうしたいのかという「想い」が一番大切です。
何のために信託をしたいのか、その目的を明確にしましょう。
<例>
財産の管理を誰かに任せたい。
認知症になった場合に備えておきたい。
残された相続人が安心して生活できるようにしておきたい。
など。
次に、それぞれの役割を担ってくれる方がいらっしゃるか、誰に財産を引き継いでいきたいかを考えていきます。信託契約をする際に必要な役割は、以下のようなものがあります。
<例>
委託者、受託者、受益者、信託監督人、受益者代理人など
※委託者と受益者が異なる時は贈与税が発生するため、通常委託者と受益者は同じにすることが多いです。
まずは財産の棚卸しをして下さい。
その上で、信託する財産を決めていきます。
全ての財産を信託しても構いませんが、一部の財産を信託することも可能です。
<例>
不動産、現金、株式
信託をいつから、いつまで継続させるのかを決めます。
この終わりを決めるのが一番難しいです。
家族信託で自身の財産をどうしたいのか、何のために信託をしたいのか、
その明確にした目的を考えながら適切な時期を設定します。
以上のようなことは、相談前にぼんやりとでも構わないので考えておかれることをお勧めします。
1978年兵庫県高砂市生まれ、岡山大学法学部卒業。「法務・会計 梅谷事務所」「はりま家族信託相談室」代表司法書士および家族信託専門士。2016年より福祉・医療関係者向けに「成年後見人制度」や法律に関する実務について研修を行う「梅塾 care&law~」を定期的に自主開催するなど、数多くのセミナー講師を務める。明治42年創業以来受け継いできた「地元での信用・信頼、誠実な仕事」をモットーに、日々、法務の現場で活躍する。